押さえておきたい基本的知識

押さえておきたい基本的知識

薬学生に向けたメッセージ

近年、医療の高度化、多様化に伴い医療における薬剤師の役割が大きく変化しています。 薬物療法の質の向上や効率化に対する社会からの要望が大きくなる一方で、新しい作用機序をもつ医薬品が多数登場したり、薬物療法の方法が複雑化しています。薬剤師は薬物療法を安全かつ効果的に実施する上で重要な役割を有しています。現在では地域や医療施設など医薬品が用いられるあらゆる場面で薬剤師が必要とされ、多職種医療チームの中で薬の専門家としての役割が求められるようになっています。
実際にやってみた!シリーズ

保湿剤を1ヵ月塗ってみました!効果と問題点を検証

EGFR阻害薬(抗EGFR抗体、チロシンキナーゼ阻害薬)やマルチキナーゼ阻害を使用している患者さんに保湿の意義と保湿剤の継続使用するよう指導されていると思いますが、実際に自ら保湿剤を継続して塗布した経験がある方は少ないのではないでしょうか。これまで「実際にやってみたシリーズ」として、「爪のスクエアカット」、「泡で洗顔、洗体」などの経験をお伝えしましたが、今回も「実際に保湿剤を1ヵ月継続して塗布してみました」ので、ご紹介します。
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皮膚の乾燥と保湿剤について

皮膚の乾燥は、加齢とともに起こるものやEGFR阻害薬による副作用によって起こるもの、その他季節的な要因やアトピー性皮膚炎など、他の病態によって起こるものなどがあります。抗がん剤治療を受ける患者さんは高齢者であることが多く、加齢とともに徐々に皮膚が乾燥しつつあるという点を踏まえ、EGFR阻害薬(抗EGFR抗体、チロシンキナーゼ阻害薬)などを開始する際には、保湿の意義と保湿剤を適切に継続使用することの重要性をしっかり理解してもらう必要があると考えています。
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保湿剤とステロイド外用剤 どっちから塗るの?

外用薬が複数処方された場合、まずは医師から指示された順番どおり使用して下さい。特に説明がなかった場合では、一般に塗る面積の広い方から先に塗ります。例えばステロイド外用剤と保湿剤の併用では、保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を症状のある部分だけに塗ります。先にステロイド外用剤を塗ってから、すぐに保湿剤を塗るとステロイド外用剤が不要な部分まで広がってしまい、副作用が起こるかもしれませんので、しっかり指導しましょう。
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悪心・嘔吐への対応(2)

各レジメンや抗がん剤ごとの悪心・嘔吐のリスク、患者さんのリスク要因に応じて、支持療法を実施したにもかかわらず、遅発性の悪心・嘔吐や突出性の悪心・嘔吐が発現することがあります。こういった状況こそ薬剤師の関わりどころです。がん診療ガイドライン...
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悪心・嘔吐への対応(1)

抗がん剤による悪心・嘔吐は患者さんが最も心配する副作用のひとつです。以前に服薬指導した患者さんが、ある映画のシーンで主人公が抗がん剤治療を受けて、ものすごくひどい様子だったのが頭に残っていて、とても不安だとおっしゃっていました。確かに5-...
免疫チェックポイント阻害薬

抗がん剤投与によるB型肝炎ウイルスの再活性化

抗がん剤投与中にB型肝炎ウイルス(HBV)が再活性化した報告が散見されています。HBs抗原陽性のいわゆるキャリア/慢性肝炎の患者のみならず、HBs抗原陰性で、 HBc抗体またはHBs抗体陽性のいわゆる一過性感染してHBVは排除されたと考えられていた患者(既往感染例)においても、HBVの再活性化は生じています。 HBVが再活性化し肝障害を起こした症例は、抗がん剤治療を中止せざるを得なくなり、場合によっては重症肝炎や劇症肝炎を起こし、生命が脅かされることがあります。そこで抗がん剤投与前にB型肝炎ウイルスの再活性化リスクについて評価し、対応することが重要です。
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抗がん剤投与前に確認・評価すべきこと

抗がん剤治療において、副作用の発現は薬の効果と共に患者さんが最も気にする事柄です。できることならば副作用のない治療を受けたいところですが、なんらかの副作用症状が発現することがほとんどです。過去のデータから発現が予想される副作用について事前に評価し、対応することで重症化が防げる場合があります。抗がん剤による副作用対策について書かれた書籍や私の経験から、以下の項目について事前に確認し、評価し、対策するとよいと思われることを挙げてみました。
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糖尿病と抗がん剤治療について

抗がん剤治療が開始になる患者さんの中で併存疾患として糖尿病を患っている方や治療後に副作用によって高血糖をきたす又は糖尿病を発症する方がおられます。 もともと糖尿病がある場合は、抗がん剤投与による悪心・嘔吐対策として予防や治療目的に使...
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抗がん剤によるアレルギー発現後の再投与は?

アレルギー反応を発症させる頻度が比較的高い殺細胞性抗がん剤として、カルボプラチン、オキサリプラチンなどプラチナ系やドセタキセル、パクリタキセルなどタキサン系の薬剤が挙げられます。カルボプラチンの添付文書の禁忌の項目に「本剤又は他の白金を含む薬剤に対し、重篤な過敏症の既往歴のある患者」と記載があるため、アレルギー反応の程度が重篤であった場合は、再投与はできないことになります。
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