その他ベバシズマブによる副作用
•高血圧(血管拡張作用を有するNO産生を抑制することによる)
•蛋白尿(糸球体毛細血管の修復が滞り、フィルター機能の低下による)
•創傷治癒遅延(血管新生の阻害による)
•出血(血管内皮細胞の修復機能の抑制によるか)
•血栓(血管内皮細胞の修復機能の抑制、血小板凝集作用、血管平滑筋細胞の増殖抑制などによるか)
•消化管穿孔(腹腔内の炎症とVEGF阻害に伴う創傷治癒遅延による)
TRIBE試験
切除不能進行・再発大腸癌患者における1st-lineとして、FOLFIRI+Bevacizumabに対するFOLFOXIRI+Bevacizumabの有効性、安全性を検証する第III相試験が行われた結果をもってガイドラインに記載されています。適格症例508例が、FOLFIRI+Bevacizumab群とFOLFOXIRI+Bevacizumab群に1:1の割合で無作為化された試験です。
有効性について
主要評価項目であるPFS中央値は、FOLFIRI+Bevacizumab群9.7ヵ月、FOLFOXIRI+Bevacizumab群12.1ヵ月であり、FOLFOXIRI+Bevacizumab群で有意な延長を認めています(p=0.003)。副次評価項目である奏効率もFOLFOXIRI+Bevacizumab群で有意に良好でした(p=0.006)。しかしOSではFOLFOXIRI+Bevacizumab群で良好であったものの有意差を認めなかった(p=0.054)。
追跡期間中央値48.1ヵ月における解析の結果、OS中央値はFOLFIRI+Bevacizumab群25.8ヵ月、FOLFOXIRI+Bevacizumab群29.8ヵ月であり、FOLFOXIRI+Bevacizumab群で有意な延長が認められています。
有害事象について
Grade 3/4の有害事象は、好中球減少(20.5% vs. 50.0%)、下痢(10.6% vs. 18.8%)、口内炎(4.3% vs. 8.8%)、末梢神経障害(0% vs. 5.2%)がFOLFOXIRI+Bevacizumab群で有意に多く認められたが、Bevacizumab関連した有害事象は両群に有意差を認めませんでした。また、重篤な有害事象も両群で同程度でした(19.7% vs. 20.4%)。
Grade 3/4の有害事象が併用群の方が高い点に注目ですね。
適応させる患者さんの選択について、事前に評価・検討しましょう。
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