ねんど専門薬剤師

免疫チェックポイント阻害薬

抗がん剤投与によるB型肝炎ウイルスの再活性化

抗がん剤投与中にB型肝炎ウイルス(HBV)が再活性化した報告が散見されています。HBs抗原陽性のいわゆるキャリア/慢性肝炎の患者のみならず、HBs抗原陰性で、 HBc抗体またはHBs抗体陽性のいわゆる一過性感染してHBVは排除されたと考えられていた患者(既往感染例)においても、HBVの再活性化は生じています。 HBVが再活性化し肝障害を起こした症例は、抗がん剤治療を中止せざるを得なくなり、場合によっては重症肝炎や劇症肝炎を起こし、生命が脅かされることがあります。そこで抗がん剤投与前にB型肝炎ウイルスの再活性化リスクについて評価し、対応することが重要です。
押さえておきたい基本的知識

抗がん剤投与前に確認・評価すべきこと

抗がん剤治療において、副作用の発現は薬の効果と共に患者さんが最も気にする事柄です。できることならば副作用のない治療を受けたいところですが、なんらかの副作用症状が発現することがほとんどです。過去のデータから発現が予想される副作用について事前に評価し、対応することで重症化が防げる場合があります。抗がん剤による副作用対策について書かれた書籍や私の経験から、以下の項目について事前に確認し、評価し、対策するとよいと思われることを挙げてみました。
ねんど工房「TAKUMI」

祝!! 投稿100回を達成しました!

2021年1月31日から始めた、この「がん患者さんへの服薬指導ポイント」ブログですが、ついに100回目となりました。可能なかぎり毎日更新と100記事を目標に毎晩、だんだん重くなるまぶたを必死に見開いて、頑張ってきました。今後の予定としては、過去に記事を見直し、服薬指導をする上で重要な点をわかりやすく記載し直したり、薬学的な介入のポイントを取り入れていきたいと思いますので、これまでの記事に興味を持たれた方は引き続き読んでいただける嬉しいです。これからもよろしくお願いします。
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ねんど工房「TAKUMI」

BRAF V600E変異型 大腸癌の治療について

大腸癌患者さんにおいてBRAF V600E変異は約10%にみられ、右側原発腫瘍および散発性マイクロサテライト不安定性(MSI)大腸癌と関連が指摘されており、また予後不良であるとされています。BRAF V600E変異では、BRAFの600番目のアミノ酸がバリン(V)という必須アミノ酸で、これがグルタミン酸(E)に変異すると、増殖の命令が出し続けられ、がんが無秩序に増殖し続けることになります。V600E変異があるとBRAFの上流にあるRASによる活性化を受けなくても常に単量体で活性化が認められるとされています。このBRAF V600E変異によるがんの増殖経路に着目して開発されたのがBRAF阻害薬です。作用機序をねんど工房「TAKUMI」で作成しました。
がん関連血栓症CAT

がん関連血栓症(2)(CAT:cancer associated thrombosis)

がん患者における治療静脈血栓塞栓症の予防と治療管理に関する米国血液学会2021ガイドラインからの抜粋です。米国血液学会(ASH)の作成した患者、臨床医、およびその他の医療専門家が、がん患者のVTEの予防と治療に関する決定を支援することを目的としたガイドラインをご紹介します。全48ページのうち推奨項目を抜粋して記載しましたので、詳しくは原本にてご確認下さい。米国のガイドラインになりますので、日本での適応症をご確認の上、参考としてご活用いただければと思います。
がん関連血栓症CAT

がん関連血栓症(1)(CAT:cancer associated thrombosis)

がんを発症すると血栓が形成される傾向にあるとされおり、がんに合併した静脈血塞栓症(VTE:venous thromboembolism)、いわゆるCATを引き起こす患者さんがおられます。がんと診断された時に、すでに血栓が形成されている場合もありますので、抗がん剤治療前に血栓の有無について診断し、リスク評価すると今後の治療がより安全にできるものと考えられます。
ねんど専門薬剤師

新キャラクター「ケモコン美ちゃん」

ねんど工房「TAKUMI」のNEWキャラクター 「ケモコン美ちゃん」です。昨年に続くステイホーム中に誕生しました。免疫療法と化学療法のコンビネーションの最強!?のキャラです。
押さえておきたい基本的知識

糖尿病と抗がん剤治療について

抗がん剤治療が開始になる患者さんの中で併存疾患として糖尿病を患っている方や治療後に副作用によって高血糖をきたす又は糖尿病を発症する方がおられます。 もともと糖尿病がある場合は、抗がん剤投与による悪心・嘔吐対策として予防や治療目的に使...
押さえておきたい基本的知識

抗がん剤によるアレルギー発現後の再投与は?

アレルギー反応を発症させる頻度が比較的高い殺細胞性抗がん剤として、カルボプラチン、オキサリプラチンなどプラチナ系やドセタキセル、パクリタキセルなどタキサン系の薬剤が挙げられます。カルボプラチンの添付文書の禁忌の項目に「本剤又は他の白金を含む薬剤に対し、重篤な過敏症の既往歴のある患者」と記載があるため、アレルギー反応の程度が重篤であった場合は、再投与はできないことになります。
押さえておきたい基本的知識

インフュージョンリアクション

抗体医薬品による症状は、その他の抗がん剤に伴う過敏症やショック症状などとは区別されており、インフュージョンリアクション(注入に伴う反応)と呼ばれています。多くは投与開始直後~24 時間以内に発症します。特に初回投与開始後 30 分~2 時間以内が多く、その症状は発熱、悪寒、悪心、頭痛、疼痛、皮膚掻痒感、発疹、咳嗽などの軽度のものから、アナフィラキシー様症状、気管支痙攣、重度の血圧低下、急性呼吸促進症候群など重篤化し、生命に危険を及ぼす場合もあります。それぞれの抗体医薬品に対してインフュージョンリアクションの予防として前投薬の投与法が確立されたものがあります。
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