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胃癌の術後補助化学療法 XELOX(CapeOX)療法

胃がん

治療スケジュール

Day1にオキサリプラチン130mg/m2を2時間かけて投与し,カペシタビン1,000mg/
m2をDay1の夕食後からDay15の朝食後まで内服。その後,7日間は休薬。3週間を1サイクルとして,8サイクル(約6ヶ月間)投与する。

前投薬について

悪心・嘔吐の分類では中等度のため、5HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン を投与となります。オキサリプラチンによるアレルギー対応または予防として、抗アレルギー薬を投与するケースがあります。

特徴的な副作用

 神経障害:急性症状、持続性の症状(8サイクル以降から重篤化)、寒冷刺激で電撃痛

 アレルギー:9~10回目以降に起こりやすい (後半の時期に特に注意)

 手足症候群:スキンケア指導、保湿剤継続、痛みがでたら一時中止

 悪心・嘔吐:デキサメタゾンは2~3日(延長あり)、遅発性嘔吐に対する対処

 骨髄抑制:発熱時は病院へ連絡促す

 下痢:予防、対処薬での対応、水分摂取促す

CLASSIC試験の結果の概要

年齢の中央値は56歳、病期は49-51%がStage II、 36-37%がStage IIIA、13-14%がStage IIIBであった。3年無病生存割合 は手術単独群59%、CapeOX群74%であり、3年生存割合は手術単独群78%、CapeOX群83% であった(観察期間中央値約34か月)(ハザード比0.72、95%信頼区間 0.52–1.00、p=0.0493)。346例(67%)が予定の 8サイクルの化学療法を完遂した。167例(32%)/163例(32%)においてカペシタ ビン/オキサリプラチンの減量を要した。平均相対薬物強度は、カペシタビン68.2%、オキサ リプラチン74.3%であった(J-CLASSIC-PII試験の論文より引用)。CapeOX群の56%にGrade 3以上の有害事象を認めた。5%以上の頻度で認められたGrade 3 以上の有害事象は、好中球減少症(22%)、血小板減少症(8%)、嘔気(8%)、食欲不振(5%)、 嘔吐(7%)、疲労(5%)であり、50例(10%)の症例が有害事象のため化学療法を中止した。

5年経過観察後の結果
CLASSIC試験の5年経過観察後(観察期間中央値約62ヵ月)の結果が報告されている。5年生存割合は、手術単独群69%、CapeOX群78%(ハザード比0.66、95%信頼区間 0.51–0.85、p=0.0015)であった。全生存期間におけるサブセット解析では、組織学的病期Stage II/IIIA/IIIBのハザード比(95%信頼区間)は、それぞれ0.54 (0.34–0.87)/0.75 (0.52–1.10)/0.67 (0.39–1.13)であった。

患者さん
患者さん

大腸がんの治療にもXELOXってあったけど、副作用は同じかな?

胃癌の術後補助化学療法のXELOX療法のJ-CLASSIC-PⅡ試験(国内第Ⅱ相臨床試験)において、副作用は100例中全例(100%)、うちグレード3/4は71例(71%)に認められました。

結腸癌の術後補助化学療法のXELOX療法の海外第Ⅲ相臨床試験(NO16968試験)938例において、副作用は920例(98.1%)、うちグレード3/4は562例(59.9%)に認められました。

  全グレード  悪心 末梢神経障害 手足症候群 下痢 好中球減少 貧血 体重減少

胃癌  XELOX   87%   94%     48%   64%  76%    8%  14%

結腸癌 XELOX   66%   82%     30%   60%  28%    6%   4%

薬剤師
薬剤師

胃癌のJ-CLASSIC-PⅡ試験は日本人、海外第Ⅲ相臨床試験(NO16968試験)は外国人が含まれているから背景が違うから、単純には比較できません。

薬剤師
薬剤師

結腸癌と胃癌の病態の違いが、治療期間が長くなるとその影響がでてくるのかも

薬剤師
薬剤師

胃を切除する胃での消化の役割が十分になされなかったり、内因子が不足して貧血になったり、そういうことかもしれませんね。ただ海外で行われたCLASSIC試験と海外第Ⅲ相臨床試験(NO16968試験)の副作用についてはほぼ同じだという意見なようです。

コメント

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