胃の全摘・手術による影響について、詳しくは過去の記事(その1及びその2)をご参照ください。
影響についてまとめると
貯蔵臓器のとしての胃の機能が損なわれる:運動低下による症状として、逆流型(胸焼け、つかえ感)、運動不全型(腹部膨満感、早期満腹感、悪心・嘔吐)、潰瘍型(心窩部痛)、腸症状(下痢、腹痛、腹鳴、放屁)が起こりうります。
排出が早いとダンピング症候群や下痢を起こす。早期ダンピング症候群は、嘔気、嘔吐、下痢などの胃腸症状と発汗、動悸、顔面紅潮などの血管運動症状を来します。
早期ダンピング症候群への対応
◎ 食べ過ぎに注意し、一回量は控えめに食事の回数を増やして調整しましょう。
◎ 仕事や外出・旅行などで分食が難しいときは、市販の携帯できる間食などをうまく利用しましょう。
◎ よく噛んでゆっくり食べましょう(1口30回、1食30分くらいを目標にしましょう)
◎ 水分は固形物より早く腸に移動してしまいます。食事中の水分摂取(お茶など)はなるべく避けましょう。
◎ 消化や吸収の早い糖質やでんぷんの少ない食事をとるようにしましょう。
徐々に回復しますので、焦らず気持ちにゆとりをもって食事をしましょう。
後期ダンピング症候群は、食物が腸に移動し、短時間で吸収されるため、一時的に高血糖になります。これに反応して分泌されるインスリンによる低血糖発作(食後数時間で起きる)を起こすことがあります。
その他、胃排出遅延とアルカリ性胃炎があります。
術後長期間経過すると、種々の栄養吸収障害が起こってくる可能性があります。例としてビタミンB12や鉄欠乏による貧血、ビタミンDとカルシウムの吸収不良による骨粗鬆症などを起こします。
抗がん剤治療を始めたから気持ちが悪いのかな?
貧血気味だと言われたけど、これも抗がん剤の影響?
症状が発現したタイミングからいうと抗がん剤の可能性はありますが、
胃を切除した影響があるということを頭にいれておく必要がありますね。
それにより対応が異なることがあります。
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