肥満はがんのリスク要因として特定されています。body mass index(BMI)が高くなるにつれてがんの発症リスクが高くなり、予後も不良となると言われています。
肥満であることにより高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、高尿酸血症を将来合併する又は合併していることがあり、これらが今後の治療に影響するかもしれないことを念頭においておく必要があると考えます。
ASCO(米国臨床腫瘍学会から肥満患者への抗がん剤投与のガイドラインが2012年に発表されており、これには、抗がん剤の投与量は、肥満の程度にかかわらず実体重を用いることが推奨されています。
このガイドラインを私が要約したものを添付しましたので、参考にしていただければと思います。
肥満の患者さんは、副作用による悪心・嘔吐、食欲低下により体重が減少したり、支持療法で使用するステロイドにより食欲が増進することで体重増加したり、増減があることを念頭に置くとよいかと思います。
一見、肥満に見えて実は腹水が貯まっていることもあるかもしれません。この場合はサードスペースへの抗がん剤の移行を考慮する必要ができていますので、この点を考慮して、主治医と投与量をご相談にただければと思います。過去の多量の腹水や胸水がある患者さんに禁忌の抗がん剤は?をご参照いただけると幸いです。
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