術後の補助化学療法の目的は治癒ですが、治癒切除不能な進行・再発の胃癌の薬物療法の目的は延命や症状の緩和になります。胃癌治療ガイドラインに治療のアルゴリズムや推奨レジメンついての記載があります。
条件付きで推奨されるレジメン
このように多くの治療法が開発され、実臨床で使用されています。ガイドラインには、
可能であれば、フッ化ピリミジン系薬剤、プラチナ系薬剤、タキサン系薬剤、CPT-11、RAM、Nivolumab の6剤を使い切る治療戦略を考慮する との記載があります。
使い切るっていうのは
どういうことだろう?
「Survival impact of post-progression chemotherapy in advanced gastric cancer: systematic
review and meta-analysis」(進行胃癌における増悪後の化学療法が生存に与える影響:システマティックレビューとメタアナリシス)の論文があります(Cancer Chemotherapy and pharmacology volume 81, p981–989(2018)。
一次治療および二次治療における増悪の化学療法の割合とOSおよびPPSと相関していることが分かり、既に生存期間を延長することが示されている二次治療に加え、三次治療も生存を改善することが示唆されるとしております。
できるだけ多くの治療法ができるようにするには
どうしたらいいんだろう?
治療薬が沢山あるように見えますが、実際にその効果が確認されている(エビデンスがある)のは3rdラインまでという状況です。医師は治療法の切り替えのタイミングを十分に考慮されています。
我々薬剤師は、薬の効果が続く限り、それぞれの治療法の副作用をコントロールできるようサポートします。副作用で治療が変更になってしまわないよう取り組まないといけないですね。
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