抗PD-L1抗体の作用機序を理解しよう

作用機序

2021.03.03

免疫チェックポイント阻害薬の1つである抗PD-L1抗体製剤にアテゾリズマブがあります。

がんは、がん細胞のPD-L1とT細胞のPD-1が結合することによりT細胞の免疫作用（がん細胞の攻撃）を逃避して生き延びようとします。ニボルマブやペムブロリズマブなどの抗PD-1抗体はＴ細胞のPD-1に結合し、T細胞を再活性化し、がん細胞を再び攻撃することで抗がん作用を示します。（抗PD-1抗体の作用機序）

抗PD-L1抗体のアテゾリズマブはどうかというと、T細胞でなく、がん細胞のPD-L1と結合することで、T細胞を再活性化します。さらにプライミング相にて、抗原提示細胞からT細胞を活性化する際にPD-L1というのは負の調節作用をもっています。ここにも作用することで、T細胞の活性化が促進されることになるとされております。